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 米ケーブルテレビ大手のコムキャストは9月28日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンUSJ)の運営会社、ユー・エス・ジェイを買収すると発表した。ユー・エス・ジェイの株式51%を11月までに15億ドル(1830億円)で取得して経営権を握る。ユー・エス・ジェイは計画していた東京証券取引所への上場申請を取り下げた。

 コムキャストは傘下のテーマパークなどを展開するNBCユニバーサルを通じ、主要株主の米金融大手、ゴールドマン・サックスなどから株式を買い取る。ユー・エス・ジェイのグレン・ガンペル最高経営責任者(CEO)は退任。後任の社長にはNBC事業部門、ユニバーサル・パークス&リゾーツのジャン・ルイ・ボニエ最高財務責任者(CFO)が就任する予定。

 コムキャストはUSJ企業価値を7500億円と算出した。株主価値は3500億円、企業価値に比べて買収額はかなり安く見えるが、4000億円の負債があることを勘案したもので、適正な水準とみられている。

USJの入場者は増加を続けている。そこで、ゴールドマンは株式上場後に売り抜けるより、コムキャストに売却したほうがリターンは大きいと考えたようだ。ゴールドマンは今回の売却でUSJ株式のすべてを手放すわけではない。今後もユー・エス・ジェイ株式を保有する。新経営陣が上場にゴーサインを出せば、そこでまた利益を得ることができる。

 コムキャストは米最大のケーブルテレビ、コムキャスト・ケーブルを運営し、年間売上高は8兆4000億円。5年前に映画・テレビ番組制作、テレビ局運営、テーマパーク事業NBCユニバーサルを買収した。USJは「ユニバーサルスタジオ・ハリウッド」などテーマパークを手掛けるNBCユニバーサルとライセンス契約を結んでいた。NBCユニバーサルは来園者が増えているUSJに着目したわけだ。

 経営不振に陥った後、USJはハリウッド映画一辺倒のやり方を見直し、ハローキティスヌーピーなどのキャラクターや人気アニメの妖怪ウォッチなど、多彩なコンテンツを揃えた。これが人気を博し甦った。退任することになったグレン・ガンペル社長は「カジノはもちろん、さまざまなビジネスにチャレンジしたい」と語り、テーマパーク事業にこだわらない姿勢をみせていた。沖縄に新しいテーマパークを建設する構想も打ち出した。

私も沖縄観光をした際に、自分なりの視察を行ったが、USJを誘致しても、USJ側には大きな利益にはならないと感じた。